私だけは大丈夫という妄想


「まさかウチの近所でこんな事件が起こるなんて思いませんでした・・・」
殺人事件のあった現場付近で、住人がこのようにインタビューに答えていることが良くありますね。日本中いたるところで凶悪事件が発生しているのに、なぜ自分のところだけが大丈夫だなどと思うのでしょう。そこには何の根拠もなく、ただ自分は安全だと思い込みたいという心理が働いているとしか思えません。毎年必ず繰り返されている大規模な詐欺事件騒動についても、これだけ年がら年中取り上げられているのに、どうしてまた引っかかるのか・・と不思議でなりませんが、今後も詐欺の犠牲者がいなくなることはどうやら無さそうです。ここでも「自分は安全」であることにしておこうとする根拠なき妄想があるのでしょう。自分自身や家族が事件に巻き込まれる可能性や、詐欺に会う可能性、自然災害や突然の事故に見舞われる可能性は人間として暮らしている以上は確実に起こりえる必然のリスクですが、人はそのリスクをとりあえず他人事にしておこうとするようです。我々FPや保険を扱う専門家としては、こうした「私は安全」神話を持つ傾向に対して常に警鐘を鳴らすことをしなければならず、しかしそのやり方によっては「不安を煽る商法」と取られる可能性もあります。あらゆるリスク対策は「リスクの存在を認める」ことからまず始めなければならないのです。あなたは間違いなくリスクの海を航海しているのですよ!!