誕生日前に契約すると得?


誕生日を過ぎると保険料がアップしてしまうので、今月中にお決めになるほうが有利ですよ〜〜。これは果たして本当か??

野球の大リーグなどで「クローザー」といえば勝ちゲームの最終段階をキッチリ抑えて勝負を決める役割の投手ですね。営業現場でのクロージングとは「契約を決める」つまりお客さん(見込み客)に最終決断をしてもらうための行動ということになります。どんなセールスの世界にも「クロージング・テクニック」というものがありますが、保険営業の研修などでは必ずこの「クロージング・テクニック」を学びます。
その例をいちいち上げると、どうもいやあな気分になりそうなので止めておきますが、まあ、人間の心理のウラを読んだり、相手の気分を盛り上げたり、理詰めで段階を踏んだり、結構色々とあるものです。そんななかでも、ウラも何も無く分かりやすく、あからさまで単純なのが、冒頭の「誕生日クロージング」です。

確かに年齢がひとつ上がればほとんどの場合に保険料が高くなりますので、どうせ同じものに加入するなら誕生日前のほうが有利といえるでしょう。ただし、場合によってはそれほど大騒ぎするほどのことでも無い、こともあるのです。ある条件のもとで終身保険に加入する例を上げましょう。

A社の終身保険1000万円に加入する60歳払い保険料は35歳加入で月額24,990円です。誕生日を越えてしまい36歳で加入する場合は26,150円と1,160円アップします。
ところが60歳までに支払う累計保険料額を見てみると35歳加入の場合が7,497,000であるのに対して36歳加入では7,531,200円で、その差はわずかに34,200円に過ぎません。この差額を月に直せば114円です。加入時年齢が1歳アップすると確かに保険料は高くなるのですが、保険料払込期間が短くなることから結果として合計額はそれほどは変わらない、という場合があるのです。

様々なケースがあるので一概には言えませんが、少なくとも「誕生日クロージングに押されて、充分な検討期間を経ずして慌てて契約するほどのことではない」ことは確かでしょう。