市場の効率性

株式や商品などの市場予想を商売にする人がいますが、その結果について完全に責任を持てるというひとはいないでしょう。
と言う以前に「市場を予想できるひと」などおそらく存在しないでしょう。なにしろ、そんなことがもしも可能ならば、先ずは自分自身がその手法で巨万の富を築いているはずで、少なくとも市場予測の本の出版や講演などでチマチマ稼ぐ必要もないはずですよね。


仮に予想が出来たとしても、そのことで収益を上げることが困難である理由として「市場は効率的である」ということが言われています。市場に関する何らかの情報が流れ、その情報によって行動がなされ、その行動によって市場価格が変動するという一連の動きは、ほとんど瞬間的といえるほどスピーディーに伝わるというのです。


ある人がある情報を元に市場を予測してある銘柄を買い付けたとします。その情報を手に入れたのがたったひとりだけであるなどということが現実にはあり得ず、他にも多くの人がそのことに気付いて同じような購買行動をとります。市場原理の価格調整機能によって、ドンドン買い付けられる銘柄の株価はドンドンと上昇します。たくさん買われて上昇していることを知った人が次々と集まってきて、ついにはストップ高となるでしょう。


もしもある情報を暫くの間独占しているような特別な人がいたとすると、その情報は「インサイダー情報」である可能性が極めて高く、一定の要件が確認されれば即座にその取引は違法であると言うことになってしまうのです。インサイダーではなく、しかもほとんどの他人が知らない情報などというものはなかなかこの世に存在しないはずなのです。【除く超能力者!】


でも、やはり、そうした情報をいち早く入手したいと考えるひとがいる限り、権力者とその取り巻きによる利権集団が形成されたり、根拠のない投資詐欺が後を立たないのでしょう。