他人任せの株式投資?


貯金大国と言われ続けた日本でも「貯蓄から投資へ」の流れが少しづつ浸透しつつあるように見えますが、果たしてその流れは本当に根付いてゆくでしょうか?

世界的にまれな超低金利が長期間継続する中、黙って銀行に預けておくわけにはいかんと考える人が増えてきたのは当然のことです。そしてなんと当の銀行が「預金にしておくよりこちらをどうぞ」と投資信託や外貨建て商品を売りまくっているのですから、投資商品への資金流入の増加は当面伸び続けるでしょう。

しかし、長い長い期間「親方日の丸」的、「大きいことはいいこと」的感覚で、体制側に身を委ねて生きるごとくのお任せ体質に浸かってきた人達が急に自立心に目覚め、自己責任、自己決定の行動パターンを身に着けるということはそう簡単ではないようです。今までは「株屋さん(証券会社の営業マン)の言うままに」買ったり売ったりしていた株式や投資信託を、こんどは「固いはずの銀行マン」や「安全第一のはずの郵便局(元)のひと」の言うままに買ったり売ったりするだけのことであるなら、まっとうな投資が市民の資産形成の一翼を担うようになったとは決して言えません。

投資とは自らの要求と知識と見識とをもって自らその対象を求めるべきものであって、銀行だとか郵便局(元)だとかにその選択を委ねているのでは、従来の金融機関任せの間接金融となんら変わりません。今、日本人の資産形成のために最も必要なものは、先ずは「お任せ体質からの脱却」です。